小アルカナカード紹介の20回目は、「ペンタクルの5」のカードです。
*小アルカナはウェイトの方針に従って大アルカナとくらべてさらりと行います。
カードの解釈について
【一言】
厳しい現実は、心身を蝕み、あなたの視野を狭くしていきます。
あなたと共に苦しんでくれる人、あなたの側で明かりを灯してくれている人、
どうかその人たちの存在を忘れないで。
<キーワード:現代版>
正位置:困難、逃避行、貧乏、傷の舐めあい、救いに気づかない
逆位置:救済、相談、奇跡、助け合い、公的機関
(正位置)
・疎外感と孤独感を感じるかも。
・お金に関して困ることがありそう。
・苦しみを共有してくれる人がいます。
(逆位置)
・意地を捨てられそう。
・奇跡が起こるかも。
・手を差し伸べてくれる人がいます。
*解釈は一例ですので、カードを見て感じたことを一番大切にされてくださいね。
The Pictorial Key to the Tarotにおける解釈と解説
*The Pictorial Key to the Tarotはアーサー・エドワード・ウェイトが作成した「ウェイト版タロット」のウェイト公式の解説書です。古典のようなものです。
ウェイトのカード全体に対する解説
吹雪の中、2人の乞食が灯りのついた窓を通り過ぎる。
ウェイトの占いに対する解釈
正位置:カードは、とりわけ物質的な苦悩について予言するが、それは、図示された姿…すなわち、貧困…であるか別なものであるかに関わらない。
逆位置:混乱、無秩序、崩壊、不和、放蕩。
補足
・ステンドグラスは生命の木の形(ケテル、ビナー、コクマー、ゲプラー、ケセドの部分)をしています。
・男女の乞食が描かれていますが、男性はハンセン病の印である鈴をつけています。
*初期近代には、イタリア、フランス、イギリス、ドイツではハンセン病はほぼ消滅していたため、このタロットが作成されたころには、これらの地域ではほぼ過去の病となっていたようです。もちろん、僅かに残った患者に対する差別は残っており、隔離施設にも入れず物乞いをしながら放浪することになった人々は社会の最下層に属する人々だったと考えられます。
・新約聖書のルカの福音書において、イエスの教えを信じたハンセン病の患者が完治し救われる描写があります。このタロットの図案にも、側に教会らしいステンドグラスがあり、先にも述べたように生命の木が描かれています。生命の木でも、神の領域に近いあたりが描かれており、教会の主が、2人の乞食を差別し、無視しているとは考えにくいです。救いはすぐ側にあるのに、それに気づけない様子を描いているのかなと個人的には解釈しています。
・ウェイトの解釈は、正位置、逆位置ともにネガティブなものになっていますが、現代の解釈では、逆位置はポジティブなものと解釈することが多いです。
*The Pictorial Key to the Tarotの解説・解釈はミステリーアートさんの"ライダーウェイト・タロット解説(http://mysteryart.web.fc2.com/library/tarot/rw/tarwtop.html)"を引用しております(引用の許可をいただいております)。ミステリーアートさんありがとうございました。
一部、訳が複雑なものはクメールが分かりやすいよう書き直しております。また、補足はクメールの見解も含みます。*ウェイト版の図案については大人の都合でバラバラになっています。
*カードの素敵なイラストはjohanさんの作品です。
*クメールは現存のいかなる宗教団体、また自己啓発団体とも関係ありません。オカルト解釈は趣味です。
*とりとめナイトよろしくお願いいたします♪
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