今回からは以前お伝えしたように、大アルカナのカードについて1枚ずつご紹介していく予定です。
*記事はクメールが本業の合間をぬって、夜中にこそこそと書いているので、不定期更新になる予定です。
初めに大まかなカードの解釈を書き(正位置、逆位置)、ご興味のある方に、カードの象徴についての解説や、クメールのカードのコラムを読んでいただくような形で記事を書いています。
今後もこのような形でカードのご紹介をしていく予定です。拙い文章ですが、お楽しみいただけましたら幸いです。
カード紹介の1回目は、「1.魔術師」のカードです。
カードの解釈について
【一言】
話し上手で器用、知恵がはたらく人のイメージです。
物知りでおしゃべりな人といるとわくわくする。
そんな彼はちょっぴりお調子者?
(キーワード)
正位置:創造、能動、才能、積極的、始まり
逆位置:嘘、自己過信また逆に自信のなさ、優柔不断、消極的、考え直す時
<大まかな解釈の例>
(正位置)
・自力で物事を学ぶと、とても充実感が得られます。
・好奇心をもってものごとに取り組むといいアイデアが浮かぶかも。
・話上手でチャレンジ精神がある人と縁がありそう。
(逆位置)
・物事が解決しないのは、行動力がたりないからかもしれません。
・いいかげんなことをいわないようにしましょう。
・あなたが好きな人はもしかして詐欺師?
*コラムにもイメージを書いていますので、興味がある方はご覧ください。
解釈は一例ですので、カードを見て感じたことを一番大切にされてくださいね。
象徴ワンポイント:The Pictorial Key to the Tarotを参考に
*The Pictorial Key to the Tarotはアーサー・エドワード・ウェイトが作成した「ウェイト版タロット」のウェイト公式の解説書です。古典のようなものです。ですので、かなーりマニアックな解説になります。ご興味のある方はご覧ください。
①頭の∞のマークとベルトの尾を噛む蛇
∞のマークは無限大の印で、蛇はウロボロスの蛇を表しています。 これらのシンボルは、魂は肉体の生死を超えて、永遠に進化を繰り返すということを象徴しています。
∞のマークは聖霊の神秘的な印、生命の印であるとも考えられています。このマークは縦にすると8になるのですが、8という数字は、キリスト(救世主)の数字だそうです。
②上と下を指さしているポーズ。机の上にある、剣と盃とコインと杖。
まずは魔術師の青年のポーズなのですが、これはエメラルドタブレット(以前の記事でご紹介した錬金術の言葉が書かれている碑です)の有名な言葉、「上の如く、下も然り(すべてはひとつ、ひとつはすべて)」を表しています。
またデスクの上にあるものは、小アルカナのソード、カップ、ペンタクル、ワンドに対応しており錬金術の4つのエレメント(風、水、土、火)を象徴しています。
③魔術師の足元にあるユリとバラ
「シャロンの野バラ」と「谷のユリ」が、庭の花に変化している様子で、この魔術師の青年が野の植物に対して栽培による品種改良をしていることを示しているとウェイトは述べています。
*シャロンの野バラ:バチカンの公式見解は「スイセン」、新改訳聖書(日本聖書刊行会)では「サフラン」、新共同約聖書(日本聖書協会)では「ばら」だそうです。 また、「むくげ」の英語の寛容名称はrose of Sharonなのだそうです。
*谷の百合:野生の「スズラン」だそうです。
コラム
象徴の①~③から考えられるように、魔術師の青年は錬金術師です。
彼は自分の力でこの世の摂理さえも操れるとでも言いたそうな、とても自信に満ちた表情をしています。
この魔術師のカードの人物は錬金術の祖「ヘルメス・トリスメギストス」その人であるという説もあります。
バラはキリストの殉教、ユリは聖母マリアの純潔の象徴と考えられているのですが、バラは棘を持っていることから男性性の象徴であるとも考えられています。
* 古代ローマにおいて、薔薇の花を天井から吊るした宴会の場では、そこで話した内容は口外してはならかったそうです。現在でも「under the rose」は「ないしょで」という意味なんだとか。したがってこの魔術師の技は「秘密の業」であるという意味も隠されているのかもしれませんね。
大変な才能は確かに世界を動かすような大きな力になりますが、それは傲慢さにもつながります。頭の回転の速い人は人の心のスイッチを押す言葉をよく知っています。・・・ですが、他人をコントロールしようとすることはあまりいいことではありませんね。このカードが逆位置で出たとき、自分が鼻高々になっていないか、あるいはそんな困った友達はいないか気を付けてみるといいかもしれません。
私がこのカードが出たときは、おっ!と思うようなアドバイスをくれる人物、いいアイデアがわいてくる時期、ちょっと調子に乗りすぎて自己中心的な言動をしてしまっている様子、そうしたイメージが湧いてきます。
皆さんはどのようなイメージをされるでしょうか?
*The Pictorial Key to the Tarotの解釈はミステリーアートさんの"ライダーウェイト・タロット解説(http://mysteryart.web.fc2.com/library/tarot/rw/tarwtop.html)"を参考、引用しております。主に聖書周りの解釈を引用しております。(*引用の許可をいただいております。)。ミステリーアートさんありがとうございました。
*ウェイト版の図案については大人の都合でバラバラになっています。
*カードの素敵なイラストはjohanさんの作品です。
*クメールは現存のいかなる宗教団体、また自己啓発団体とも関係ありません。オカルト解釈は趣味です。
*とりとめナイトよろしくお願いいたします♪
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