カード紹介の8回目は、「8.力」のカードです。
カードの解釈について
【一言】
力を上手にコントロールすることも力です。
接し方を知っていれば、ほら、ライオンも猫のよう。
(キーワード)
正位置:不屈、努力が実る、忍耐、思いやり、発想の転換
逆位置:心の弱さ、手に負えない相手、根気不足、媚びる、諦め
<大まかな解釈の例>
(正位置)
・自分の力を十分に発揮できる状況にあるようです。
・手ごわいことも、正面からぶつかる以外の方法で解決できることがあります。
・今は苦しくても忍耐のときです。あなたなら耐えられる。
(逆位置)
・力づくで物事を解決しようとすると泥沼にはまります。
・心が折れそうになるかもしれません。
・物事を短絡的に考えないようにしましょう。解決できるものもできなくなってしまいます。
*コラムの最後の方にもイメージを書いていますので、興味がある方はご覧ください。
解釈は一例ですので、カードを見て感じたことを一番大切にされてくださいね。
象徴ワンポイント:The Pictorial Key to the Tarotを参考に
*The Pictorial Key to the Tarotはアーサー・エドワード・ウェイトが作成した「ウェイト版タロット」のウェイト公式の解説書です。古典のようなものです。ですので、かなーりマニアックな解説になります。ご興味のある方はご覧ください。
*ウェイトの解説が短めですので、今回は象徴に関する記述は短めです。
①抵抗しないライオンと、ライオンにつながれた薔薇の鎖。
凶暴だったライオンが物理的な力ではなく、女性の慈悲の心と不屈の精神でもって鎮圧されています。 花の鎖は、冷たくて強固な鉄の鎖と比べれば、柔らかくて心地よい「甘い束縛」です。
物理的な支配というより、運命的で精神的な支配であることを示しています。
②女性の頭についた∞のマーク。
カードの女性の頭上には「魔術師」のカードと同じ生命のシンボルがつけられています。
このマークは、精神的な力と物理的な力の融合を表しています。 また、この「力」のカードにあてられた番号は8番で、8を横に倒すと生命のマークになります。
*このカードには鎖の花が薔薇の花になっていたりと、∞のマーク以外にも魔術師のカードとの共通点があります。
③ウェイト版のタロットでは、「力」は英語に訳した場合「Force/力」ではなく「Strength/力」となる。
こちらの内容は象徴に関することではないのですが、今回は象徴に関する内容が少ないので触れていきます。
「Force/力」は外的な力、つまり物理的な力、腕力、武力などを意味します。ウェイト版のタロットよりもずっと昔のものは、ギリシャ神話のヘラクレスとライオンの神話*をモチーフとしたものもあったそうです。
ウェイト版では用いられている「Strength/力」は、内的な力、つまり知力や精神力、耐久力を意味します。
*ヘラクレスの「十二の功業」の物語の一つの、ヘラクレスとネメアの獅子の物語です。ネメアの獅子は、剣や弓矢では決して傷つかない鉄壁の毛皮を持った人食い獅子で、ヘラクレスは3日間の格闘の末に、これを退治しました。この獅子は、退治された後、ゼウスによって空にあげられ、「しし座」となったそうです。
コラム
力というネーミングでありながら、やわらかいイメージがあるカードです。 ウェイトの「花の鎖」に対する解説が、「甘い束縛」になっているのがちょっと気に入っています。
やわらかさがありながらちょっとした強制力がある、このイメージになんともいえない良さを感じます。
ついつい、怒りっぽくなってしまうとき、自分の気持ちを理解してもらえなくて苦しいとき、このカードを見つめると安らぐかもしれません。
人が自分が思うように行動してくれないとき、怒りに任せて強引に言うことを聞かせたくなってしまうものですが、そういうときこそこのカードの女性のように優しくなりたいものです。
このカードのライオンは、人間の動物的な本能を表しているともいわれています。感情を制御するようにというメッセージであるとも読み取れるかもしれません。
私はこのカードを見たとき、柔よく剛を制す、おだやかな強制力、努力したことの結果 というイメージが湧いてきます。
*The Pictorial Key to the Tarotの解釈はミステリーアートさんの"ライダーウェイト・タロット解説(http://mysteryart.web.fc2.com/library/tarot/rw/tarwtop.html)"を参考、引用しております。主に、聖書周りの部分を引用しております(引用の許可をいただいております)。ミステリーアートさんありがとうございました。
*ウェイト版の図案については大人の都合でバラバラになっています。
*カードの素敵なイラストはjohanさんの作品です。
*クメールは現存のいかなる宗教団体、また自己啓発団体とも関係ありません。オカルト解釈は趣味です。
*とりとめナイトよろしくお願いいたします♪
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