9.隠者のカード

カード紹介の9回目は、「9.隠者」のカードです。


カードの解釈について


【一言】 

テレビゲームの世界で、攻略のヒントや重要なアイテムをくれるじいさんのイメージです。

 辺鄙なところに住んでいながら、なんで魔物におそわれないんでしょうね? 


(キーワード) 

正位置:知恵、探求心、隠居、専門性、年長者 

逆位置:厭世、執着、気難しさ、孤独、懐古主義


<おおまかな解釈の例>

(正位置) 

・じっくりと問題と向き合って見ましょう。真理は案外あなたの側にあります。 

・年配の方に人生相談してみて。きっと大切なことを教えてくれます。 

・他人の声に惑わされず、自分を信じてみましょう。 


(逆位置) 

・自分の殻に閉じこもって、煙たがられるかもしれません。 

・人を妬んではいけません。

 ・今抱えている問題についてもっと真剣に向き合いましょう。


*コラムの最後の方にもイメージを書いていますので、興味がある方はご覧ください。  

解釈は一例ですので、カードを見て感じたことを一番大切にされてくださいね。



象徴ワンポイント:The Pictorial Key to the Tarotを参考に

*The Pictorial Key to the Tarotはアーサー・エドワード・ウェイトが作成した「ウェイト版タロット」のウェイト公式の解説書です。古典のようなものです。ですので、かなーりマニアックな解説になります。ご興味のある方はご覧ください。

*ウェイトの解説が短めですので、今回は象徴に関する記述は短めです。


①カードの老人のモデル 

カードに描かれている老人は「日の老いたる者」で、「旧約聖書:ダニエル書」*に基づいています。 「日の老いたる者」は天地創造を行い、理性を司る神を表わしているのだそうです。


*なお見ていると、 王座が据えられ 「日の老いたる者」がそこに座した。その衣は雪のように白く その白髪は清らかな羊の毛のようであった。その王座は燃える炎 その車輪は燃える火(ダニエル書 7:9-18) ここに日の老いたるものの姿の描写があります。

イギリスの詩人・画家のウィリアム・ブレイクの作品に「日の老いたるもの」という作品がありますが、おそらく、彼の創作で、旧約聖書の「日の老いたる者」とは別の存在なのかなと思います。ブレイク曰く、彼の名はユリゼンで、この宇宙を構成しているとされる基本的な存在(4人のゾアたち)の一人なのだそうです。


②ランプの中の星

ランプの明かりは炎ではなく、光を放つ六芒星となっています。

これは救済すべき人を引き付けるための光として表現されています。 

ウェイトは「彼の標識の火は、「わたしのいる所に、あなたがたもいる」とほのめかしている。」と述べています。 これは、「新約聖書:ヨハネ福音書」の「行ってあなたがたのために場所を用意したら、戻って来て、あなたがたをわたしのもとに迎える。こうして、わたしのいる所に、あなたがたもいることになる。」というイエスキリストの言葉にちなんでいます。



③六芒星の意味 

「マルティニズムのフランス会」がもともとタロットの図案として使用していることにちなんで、このウェイト版のタロットにも採用したとウェイトは述べています。 

*マルティニズムとは、神秘主義的な結社の「エリュ・コーエン(選ばれた僧侶)」の創始者マルチネス・ド・パスカリと、彼の弟子だったサン・マルタンの一派の思想を指しているそうです。「すべての人間は己の心奥で眠っていた霊性を覚醒させ、潜在的なパワーを解き放ちながら宇宙(自然、世界)と交感することで自ら"神"となり、始原の故郷へと回帰することができる(真説 フリーメイソン大百科 上巻より引用しました)」と説いています。 

なんだか難しいですが、個人的には、エメラルドタブレットに書かれている錬金術の「太陽の作業」の考えに似ているのかなと考えています。 自分の精神性を高めることによって、万物を生み出した全なるものに到達できるというあたりが…。 


コラム


このカードのイメージは、ユング心理学に出てくる「老賢人(オールド・ワイズ・マン)」そのものです。 この老賢人は「男性性」の最終的な到達点であるとされていて、深い経験知や理性によって人を導く存在です。

 *ちなみに、女性の最終的な到達点は「太母(グレート・マザー)」で、女帝のカードのイメージにつながります。


 初めの一言のところでも述べていますが、このカードのような「老賢人」は、一昔前のテレビゲームやファンタジー小説には、必ずと言っていいほどヒントを与えてくれるキャラクターとして登場していました。 

最近のゲームやファンタジー小説には、年配のキャラクターが導き手として描かれることがすっかり減ってしまいましたね。 これも時代の反映なのかしら。 


「おばあちゃんの知恵袋」は今でもまだ見る気がするんですけど、「おじいちゃんの導き」を見なくなってしまったのは少し寂しいです。


 私はこのカードを見たとき、知恵を与えてくれる人、内省、へんくつになっている というイメージが湧いてきます。 


*The Pictorial Key to the Tarotの解釈はミステリーアートさんの"ライダーウェイト・タロット解説(http://mysteryart.web.fc2.com/library/tarot/rw/tarwtop.html)"を参考、引用しております。主に、聖書周りの部分を引用しております(引用の許可をいただいております)。ミステリーアートさんありがとうございました。

 *ウェイト版の図案については大人の都合でバラバラになっています。 

*カードの素敵なイラストはjohanさんの作品です。

*クメールは現存のいかなる宗教団体、また自己啓発団体とも関係ありません。オカルト解釈は趣味です。 

とりとめナイトよろしくお願いいたします♪ 

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