カード紹介の11回目は、「11.正義」のカードです。
カードの解釈について
【一言】
あなたの言ってることはいつも正しい。
けれど時として、正しいことは人を傷つけます。
(キーワード)
正位置:法律、バランス、正当性、中立、裁き
逆位置:不平等、打算、冷徹、私情をはさむ、肩入れ
<大まかな解釈の例>
(正位置)
・物事に対して正しい判断ができていて、誰も文句は言わないでしょう。
・あなたとつりあった人といいお付き合いができます。
・私生活や仕事、学業などいろいろなことにバランスよくとりくめそう。
(逆位置)
・今までうまくやっていた人と、価値観の不一致があるかも。
・自分がやっていることに対して、正しい評価をもらえないかもしれません。
・必要以上に理詰めに考えすぎて、身動きが取れないようにならないように!
象徴ワンポイント:The Pictorial Key to the Tarotを参考に
*The Pictorial Key to the Tarotはアーサー・エドワード・ウェイトが作成した「ウェイト版タロット」のウェイト公式の解説書です。古典のようなものです。ですので、かなーりマニアックな解説になります。ご興味のある方はご覧ください。
*ウェイトの解説が短めですので、今回は象徴に関する記述は短めです。
①剣と天秤を持っている女性
この女性は、ギリシャ神話の法と掟の女神である「テミス」、もしくは、テミスの娘で正義の女神の「アストライア」であるなど所説あります。しかし、ウェイトはどちらかは断言していません。 ウェイトは、この人物は、私たちの世界の神々ではなく、「女教皇」のような霊的な存在であると述べています。(女教皇も女神イシスをモデルにしていると思いますが、イシスそのものではありません。) このカードの女性は、裁判所などで目にする「正義の女神」の像のような目隠しはしておらず、まっすぐ正面を見据えています。
②背景の二つの柱とカーテン
この人物の背景には、女教皇と同じように二つの柱とカーテンでがあります。
ウェイトはこの柱の先について「『正義』の柱は、ある1つの世界へと開き、『女教皇』の柱は、もう1つの世界へと開いている」と述べています。
この正義のカードの柱の先の世界も、私たちのいる世界よりは高次元の世界のようですが、ウェイトは、「女教皇」の世界よりは比較的容易にたどり着ける世界という位置づけをしているようです。
このカードにおける正義は「全ての人に関係する人道主義を示す」ものであり、「霊的な正義」とは少し異なります。
③カード番号の入れ替えについて
*ここは象徴の話ではありませんが、補足として書いています。
マルセイユ版のタロットでは、正義のカードは8番目、「力」のカードが11番目のカードとなっていますが、ウェイト版では11番のカードが正義、8番が力のカードとなっています。
ウェイトは、カバラの世界とタロットを結び付けており、その整合性を取るためにカードの番号を入れ替えたようですが、賛否あるようです。
コラム
初めの一言でも書いているのですが、正しいことは時として人を傷つけます。
また、誰かにとっての正義は必ずしも他の誰かにとっての正義ではありません。 「全ての人に関係する人道主義を示す」というのはすごく難しいなと思います。
私はこのカードが出たとき、ひとまず、現在と行く先々のバランスを考えるようにしています。 相談者さんが喜ぶ答えが、将来的に、物事の均衡を崩し、彼女や彼の不幸を招いてしまう。 このようなことをいうべきではないのですが、つい、占っているとき相談者さんの感情に揺さぶられてしまいそうになります。 目隠しをして占うわけにはいきませんので、どこか冷徹さを保ちながら(だけど優しく笑)ご相談にのっていかないと、と肝に銘じています。
私はこのカードを見たとき、平等、ぐうの音もでない理屈、均衡 というイメージが湧いてきます。
*The Pictorial Key to the Tarotの解釈はミステリーアートさんの"ライダーウェイト・タロット解説(http://mysteryart.web.fc2.com/library/tarot/rw/tarwtop.html)"を参考、引用しております。主に、聖書周りの部分を引用しております(引用の許可をいただいております)。ミステリーアートさんありがとうございました。
*ウェイト版の図案については大人の都合でバラバラになっています。
*カードの素敵なイラストはjohanさんの作品です。
*クメールは現存のいかなる宗教団体、また自己啓発団体とも関係ありません。オカルト解釈は趣味です。
*とりとめナイトよろしくお願いいたします♪
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