小アルカナカード紹介の54回目は、「カップのキング」のカードです。
*ペイジ、ナイト、クイーン、キングのカードはコートカードといいます。
*小アルカナはウェイトの方針に従って大アルカナとくらべてさらりと行います。
カードの解釈について
【一言】
情に厚く、器が大きなリーダーのイメージです。
どんなに些細な意見でも真面目に聞いてくれます。
あまりにも人を大切にしすぎて、迷いが多い人かもしれません。
<キーワード:現代版>
正位置:寛大、安心感、受容、許し、心の支え
逆位置:迷い、八方美人、裏表、自己欺瞞、浮気
*解釈は一例ですので、カードを見て感じたことを一番大切にされてくださいね
(正位置)
・思いやりに救われます
・自分の弱さをうけとめてもらえます
・安心感を得られます
(逆位置)
・情に流されそうです
・不都合な事実にも目を向けましょう
・ぶれない軸を持ちましょう
The Pictorial Key to the Tarotにおける解釈と解説
*The Pictorial Key to the Tarotはアーサー・エドワード・ウェイトが作成した「ウェイト版タロット」のウェイト公式の解説書です。古典のようなものです。
ウェイトのカード全体に対する解説
彼は、左手に短い笏、右手に偉大な杯を持っている。彼の王座は海の上に据えられている。一方には船が浮かんでいて、もう一方ではイルカが跳ねている。 「杯の記号」は、もちろん水に関連していることを暗示しており、これ(水)は、全ての杯のコートカードに現われている。
ウェイトの占いに対する解釈
正位置:金髪で色白の人物、実業家、法律家、もしくは聖職者。質問者の願いを聞き入れる態度で、信頼できる。 また、人文系と理科系の知識を公平に持つ人。科学や法律や芸術を職業とする人々を含む。創造的知性。
逆位置:不正直で、裏表のある不誠実な人。悪事、強要、不公平、悪徳、スキャンダル、略奪、相当な損失。
補足
・イルカはキリストの救済と復活の象徴であるといわれており、このカードが信仰と関わりがあることが示されています。個人的には、このカードはより優しくなった教皇のカードというイメージを持っています。
・イルカは、荒れる海の中、右側の船に向かっているように見えます。嵐の中、船から、海に投げ入れられイルカに飲まれた預言者ヨナを表わしているのでしょうか(旧約聖書:ヨナ書)?ヨナは初め、神に敵国であるニネヴェの人々を改宗させるよう命じられたのですが、それが嫌で神の命令から逃げ回っていました。船に乗って、目的地の逆方向に逃げていたところ、神罰の嵐が起き、嵐を静めるために、船乗りたちに自らを海に投げ入れさせます。そして、イルカに飲みこまれ、三日三晩神に謝罪し、ようやくイルカに吐き出してもらえました。 その後、反省して、ニネヴェの人々を改宗させに向かったところ、あっさりとニネヴェの人々は改宗し、ニネヴェの人々に天罰も下りませんでした。この物語は、神の慈悲が選民的なものではなく、様々な人々に及ぶことを伝えていると考えられているそうです。このヨナの物語と、ウェイトの解釈するワンドのカップの正位置・逆位置は少し似たところがあるように思いますがいかがでしょうか?
・冠には、カーネーションのようなものがついています。カーネーションは母性愛や慈愛の象徴だといわれています。
・不安定な海の上にいながら、玉座はしっかりと安定しています。
*The Pictorial Key to the Tarotの解説・解釈はミステリーアートさんの"ライダーウェイト・タロット解説(http://mysteryart.web.fc2.com/library/tarot/rw/tarwtop.html)"を引用しております(引用の許可をいただいております)。ミステリーアートさんありがとうございました。
*カードの素敵なイラストはjohanさんの作品です。
*クメールは現存のいかなる宗教団体、また自己啓発団体とも関係ありません。オカルト解釈は趣味です。
*とりとめナイトよろしくお願いいたします♪
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