小アルカナカード紹介の55回目は、「ソードのキング」のカードです。
*ペイジ、ナイト、クイーン、キングのカードはコートカードといいます。
*小アルカナはウェイトの方針に従って大アルカナとくらべてさらりと行います。
カードの解釈について
【一言】
冷徹という言葉がぴったりな、指導者のイメージです。
厳しい人ですが、彼の言葉は常に現実を的確にとらえています。
そんな彼に愛情を求めると、つらい思いをするかもしれません。
<キーワード:現代版>
正位置:厳格、決断、客観的、自信、知性
逆位置:冷酷、独裁、無情、孤立、自己保身
*解釈は一例ですので、カードを見て感じたことを一番大切にされてくださいね
(正位置)
・厳しくとも正しい判断が出来ます
・戦うことも必要です
・客観的なアドバイスを得られます
(逆位置)
・他人を思いやりましょう
・独善的になっていませんか?
・けんか腰になるのはやめましょう
The Pictorial Key to the Tarotにおける解釈と解説
*The Pictorial Key to the Tarotはアーサー・エドワード・ウェイトが作成した「ウェイト版タロット」のウェイト公式の解説書です。古典のようなものです。
ウェイトのカード全体に対する解説
彼は、鞘から抜いた剣を握って、裁判官の席に座る。 彼は、もちろん、「大アルカナ」の従来からある「正義の象徴」を思い出させ、そして、彼はこの徳を表すかもしれないが、むしろ彼の権能は生と死の執行である。
ウェイトの占いに対する解釈
正位置:それが何であれ、裁判とそれに関連する全ての権力から生じるもの。命令、権威、軍事的な知性、法律、王位の任務、その他いろいろ。
逆位置:残酷、つむじ曲がり、野蛮、不信、不吉な意志。
補足
・冠には、カップの2で見られたような有翼の獅子が描かれています。有翼の獅子は、大天使アリエルの象徴である可能性があります。
*カバラに、アリエルはソロモン王と共に働いて様々な魔術を行使したという記述があるそうです(カバラのどの書物の記述かまでは残念ながらわかりませんでした)。
・左手の中指に指輪をしています。左手の中指の銀の指輪には魔除けの意味があります。悪魔ベレトに命令する際には、「絶対に王者に対する礼儀を欠いてはならず、また常に左手の中指に護符となる銀の指輪をはめて相手の顔に向け示し続けなければならない」のだとか…。ベレトは、ソロモン王が封印した72柱の悪魔の一人で、彼らの首領であったそうです(『悪魔の偽王国』より)。
*「黄金の夜明け団」の儀式においても左手の中指の銀の指輪が使われていたそうですが、こちらも出典が分かりませんでした。
・下記リンクのミステリーアートさんの解釈では、ソードのコートカードはアーサー王伝説基づいていると考えておられ、キングのソードはアーサー王にあたると解釈されています。アーサー王は強き王でしたが、あまり幸せとは言えない生涯でした(ソードのクイーン参照)。
・私の個人的な解釈では、ソードのキングはソロモン王を表しているのではと考えています。ソロモン王は、知恵者の象徴とされていますが、晩年は野心が過ぎ、堕落したと言われています。
・ソードのキングは、「正義の象徴」を思い出させると記述されていながら、なぜか椅子の中央に座っていません。
・彼の座る裁判官の席には、蝶が描かれており、空には二羽の鳥が飛んでいます。雲も他のソードのスートのカード同様描かれています。これらはおそらく風の属性を示していると考えられます。
・ソードのキングとソードのクイーンの玉座には、三日月の文様のようなものが描かれています。月のカードは迷いを表すカードですが、彼らの内面の苦しみを表しているのかもしれません。
*ソードのあらゆるカードから、私は生きることの苦しみを感じます。が、つらくとも前に進もうとする強さも感じます。
*The Pictorial Key to the Tarotの解説・解釈はミステリーアートさんの"ライダーウェイト・タロット解説(http://mysteryart.web.fc2.com/library/tarot/rw/tarwtop.html)"を引用しております(引用の許可をいただいております)。ミステリーアートさんありがとうございました。
一部、訳が複雑なものはクメールが分かりやすいよう書き直しております。また、補足はクメールの見解も含みます。
*カードの素敵なイラストはjohanさんの作品です。
*クメールは現存のいかなる宗教団体、また自己啓発団体とも関係ありません。オカルト解釈は趣味です。
*とりとめナイトよろしくお願いいたします♪
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