カード紹介の6回目は、「6.恋人」のカードです。
カードの解釈について
【一言】
人生の中で最も幸せな瞬間。
結婚は人生の重大な「決断」です。
けど、決断するには案外「タイミング」が重要かも。
(キーワード)
正位置:熱中、快楽、夢、友好、決断
逆位置:目移り、誘惑、裏切り、現実逃避、優柔不断
<大まかな解釈の例>
(正位置)
・情熱的な恋愛関係になりそうです。
・自分に正直になりましょう。
・何かにチャレンジするのによい決断ができそうです。
(逆位置)
・心理的にも、身体的にも煮え切らない相手の態度にいらいらしそうです。
・その場の気分に流されないようにしましょう。
・恋愛ばかりでなく、他のことにも気を向けてみましょう。
*コラムの最後の方にもイメージを書いていますので、興味がある方はご覧ください。
解釈は一例ですので、カードを見て感じたことを一番大切にされてくださいね。
象徴ワンポイント:The Pictorial Key to the Tarotを参考に
*The Pictorial Key to the Tarotはアーサー・エドワード・ウェイトが作成した「ウェイト版タロット」のウェイト公式の解説書です。古典のようなものです。ですので、かなーりマニアックな解説になります。ご興味のある方はご覧ください。
①カード上方の天使と太陽。
カードの上方に描かれているのは熾天使ミカエル*1です。
ミカエルは火の元素、赤色、南に関連付けられた天使で、中世キリスト教の頃に太陽と結びつけられるようになりました。
ミカエルは「神のごとき者」といわれるように神に最も近しい存在の天使です。
ウェイトは、「非常に高い意味においては、このカードは『(神との)契約と安息日』の神秘を表している」と述べていますが、このことは、ここの最高位で最も神に近しい天使であるミカエルが守護し祝福している様子*2からも読み取れます。
*1 このウェイト版のタロットでは、このカードに黄道十二星座の双子座に結びつけているのですが、ミカエルにも堕天した双子の兄弟(ルシファー)がいます。
*2 天使はラファエルであるという説もありますが、ミカエルであるという解釈を個人的には支持しています。
②「アダム」と「イブ」のようなお互い前を隠していない男性と女性の2人の人物。
次の③の項目でも触れるのですが、このカード女性の背後に知恵の実をつけた木があります。
二人はまだ実を食べていません。
このことは、ウェイトが述べているように「著しい物質的欲望により汚染される以前の、青春期、処女性、無実と愛」を象徴しているといえます。
③男性の後方の12個の実を結ぶ木と、そして、女性の後方の蛇の巻き付いた木。
男性の後ろにあるのは「生命の木」で「川は、都の大通りの中央を流れ、その両岸には命の木があり、年に十二回実を結び、毎月実をみのらせる。そして、その木の葉は諸国の民の病を治す。」(新約聖書:黙示録)に基づいているそうです。
また、女性の後ろにあるのは、旧約聖書のアダムとイブの話に出てくる「善悪の知識の木」です。
巻き付いている蛇は、旧約聖書の、イブを誘惑する「地上で最も賢い生き物」の蛇です。
コラム
このカードが幸せ満載な恋人を表現していることは、カードをみるだけでわかるのですが、「決断」の解釈はどこから来たのだろうと以前から疑問に思っていました。
少し引用が長くなるのですが、このカードに対してウェイトはこのように述べています。
「女性に関する暗示は、彼女が『人間の堕落』という考えを伴う感受性を持つ生命に向かう引力というものを意味している。しかし、彼女は自発的に罪を意識して誘惑した女性というより、むしろ『神の秘密の律法』の作用である。」
「人間が結局生まれるであろうことは、彼女に帰された過ちに通じている。そして、彼女によってのみ、彼は彼自身を完成することができる。」
かなり分かりにくいですね。私はこの文章をこのように解釈しています。
アダムとイブは、誘惑に負けて「善悪の知識の実」を食べるに至ったというよりも、人間が神様からの「自立」をするために「善悪の知識の実」を食べる必要があった。
人間が生まれるためには、女性が男性を受け入れることを「決める」必要がある。
結局、女性がいないと男性も子供が作れない(!)
このように解釈すれば、ウェイト版の「恋人」のカードが「決断」の意味を持つということを理解できるのかなと考えました。
ちょっと話はそれますが、ウェイトのカード解釈を見ていると「女性は神秘!」という記述が散見されます。 クメールは女性なので、このような書かれ方をすると変な感じがします。男性の行動のほうがよほど不思議です。 きっと男女は一生かかっても根っこのところではお互い理解できないんでしょうね。
私はこのカードを見たとき、幸せな恋愛関係、純粋な気持ち、責任を伴う意思決定 というイメージが湧いてきます。
*The Pictorial Key to the Tarotの解釈はミステリーアートさんの"ライダーウェイト・タロット解説(http://mysteryart.web.fc2.com/library/tarot/rw/tarwtop.html)"を参考、引用しております。解釈については、主に聖書周りの部分を引用しております。(引用の許可をいただいております)。ミステリーアートさんありがとうございました。
*ウェイト版の図案については大人の都合でバラバラになっています。
*カードの素敵なイラストはjohanさんの作品です。
*クメールは現存のいかなる宗教団体、また自己啓発団体とも関係ありません。オカルト解釈は趣味です。
*とりとめナイトよろしくお願いいたします♪
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