15.悪魔のカード

カード紹介の15回目は、「15.悪魔」のカードです。


カードの解釈について


【一言】 

逃げられない、やめられないのはあなた自身のせいでもあります。 

悩んでいる今こそがやめどきです。  


<キーワード>

正位置:堕落、嫉妬、良くない習慣、悪縁、執着心 

逆位置:改心、悪習慣が治る、つぐない、脱依存、健全な関係


<大まかな解釈の例>

(正位置) 

・ぬるま湯につかって生きていても成長しません。現状を変える勇気を持ちましょう。 

・親しい人から悪いことに誘われるかもしれません。 

・あなたが依存しているものがあなたの心身を蝕みます。 


(逆位置) 

・やめたいと思っていたことをやめられそうです。 

・良くない人と縁が切れるでしょう。 

・自分をとりもどすために欲を捨てましょう。


*コラムにもイメージを書いていますので、興味がある方はご覧ください。 

解釈は一例ですので、カードを見て感じたことを一番大切にされてくださいね。 



象徴ワンポイント:The Pictorial Key to the Tarotを参考に

*The Pictorial Key to the Tarotはアーサー・エドワード・ウェイトが作成した「ウェイト版タロット」のウェイト公式の解説書です。古典のようなものです。ですので、かなーりマニアックな解説になります。ご興味のある方はご覧ください。


①蝙蝠の羽とヤギの角がついた悪魔 

ウェイトは「メンデスの角のある山羊」とこの悪魔のことを述べていますが、「メンデスの山羊」とは悪魔の「バフォメット」の別称です。 額には悪魔崇拝を表す逆五芒星がついています。そして、彼の姿は山羊や蝙蝠や鳥の足がついており、さまざまな生物がごちゃ混ぜになっています。

 このカードの悪魔の姿はエリファス・レヴィの描いたもの*が元となっています。

また③の説明でも述べますが、このカードは恋人のカードの配置と類似しており、これは私の解釈なのですが、熾天使ミカエルの位置に悪魔がいるとも考えられます。 そう考えると、この悪魔は熾天使ミカエルの双子の兄弟である悪魔ルシファーであるとも考えられそうです。 

*エリファス・レヴィの悪魔の頭についた五芒星は逆五芒星ではありません。 エリファス・レヴィはフランスのロマン派詩人、また隠秘学の思想家です。あるいは魔術師であったとも…。


②悪魔の左手と右手 

悪魔は右手も、5番目のカードの「教皇」と同じように高く挙げて広げられており、別の祝福の手の形をしています。 この指の形はユダヤ教の「ひづめが分かれた」きよい動物の「型」だそうですが、彼は悪魔です。 「ひづめの分かれた」というヘブライ語は「パーラス」で、その語彙には「パンを裂く(我が身を犠牲にして施しを与える)」というニュアンスがありますが、手前にいる二人には相手にされていないようです。 

また、元の図案であるエリファス・レヴィの図案では、上がっている右腕には「Solve」(溶解させる)、下がっている左腕には「Coagula」(凝固させる)と書かれており、 これは錬金術の「溶かして(分解して)固めよ」「分析して統合せよ」「解体して統合せよ」という意味を表しています。

 ①の図と合わせて考えてみると、この悪魔が、欲のままに知識を使い、好き勝手に創造をしている様子が読み取れます。節制のカードに描かれていたような、真理を表すような象徴はこのカードにはありません。


③悪魔の足元にいる男女 

悪魔の前には男性と女性の小悪魔の姿があり、「恋人」のカードと似たデザインをしています。 男性の小悪魔のしっぽについた「生命の木の葉」に似たものは、たいまつから燃え移った火であり、女性のしっぽについているものは「善悪の知識の木の実」ではない別の木の実がついています。 彼らは「堕落した後のアダムとイブ」のような存在として描かれています。 しかしながらウェイトは「その顔には人の知性がある。そして彼ら(小悪魔)の上で得意になっている彼(大悪魔)は、永遠に彼ら(小悪魔)の支配者であることはない。」と述べています。

彼らの顔は悪魔には向けられておらず、鎖もいつでも外れるほど緩やかにつけられています。逃げ出す気持ちになれば、彼らは「本当は」いつでも逃げすことができるのです。 



コラム


ウェイトは、この悪魔に対してこのように述べています。  


「今もなお、彼(大悪魔)もまた奴隷であり、彼の中にある悪と、役務の解放からの目隠しにより維持されている。」 

「それ(このカード)が意味していることは、『神秘の庭』において、禁断の果実を強制的に食べさせられ、そこから追放されて『境界にいる居住者』である。」


 この部分を読むと、神様がまるで悪いことをしているようです。 読んでいて、神様ちょっとひどいなぁと思いました笑。 

しかしながら、この状況は「物質的な生命の束縛と宿命」であり、おそらく乗り越えるべき試練だからこそ神様が与えたのでしょう。 悪魔の前にいる男性と女性の小悪魔たちは、どうにかここから解放されそうですが、悪魔は永遠にこの世界をさまようことになりそうです。


 私はこのカードを見たとき、惰性で続く悪い習慣、欲のままの行動、誘惑 というイメージが湧いてきます。  


*The Pictorial Key to the Tarotの解釈はミステリーアートさんの"ライダーウェイト・タロット解説(http://mysteryart.web.fc2.com/library/tarot/rw/tarwtop.html)"を参考にしておりますを参考、引用しております。主に、聖書周りの部分を引用しております(引用の許可をいただいております)。ミステリーアートさんありがとうございました。 

*ウェイト版の図案については大人の都合でバラバラになっています。 

*カードの素敵なイラストはjohanさんの作品です。

*クメールは現存のいかなる宗教団体、また自己啓発団体とも関係ありません。オカルト解釈は趣味です。 

とりとめナイトよろしくお願いいたします♪ 

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