0.愚者のカード

カード紹介の21回目は、「0.愚者」のカードです。


カードの解釈について


【一言】 

純粋で向こう見ずな若者のイメージです。 

何も知らないということはいいことでもあり悪いことでもあります。  


<キーワード> 

正位置:自由、無邪気、始まり、楽観、気まま 

逆位置:わがまま、モラトリアム、無責任、意志薄弱、堅物


<大まかな解釈の例>

(正位置) 

・新しい経験を素直な心で楽しめます。 

・奇想天外な発想ができます。 

・無邪気な人を好きになるかも。 


(逆位置) 

・わがままな行動をしがちになります。 

・あらゆることに手をだしすぎてけっきょくうまくいきません。 

・まじめな人と恋愛関係になります。


*コラムにもイメージを書いていますので、興味がある方はご覧ください。 

解釈は一例ですので、カードを見て感じたことを一番大切にされてくださいね。



象徴ワンポイント:The Pictorial Key to the Tarotを参考に

*The Pictorial Key to the Tarotはアーサー・エドワード・ウェイトが作成した「ウェイト版タロット」のウェイト公式の解説書です。古典のようなものです。ですので、かなーりマニアックな解説になります。ご興味のある方はご覧ください。

*生命の木の図を説明のため再掲しています

①背景の白い太陽と服についた九つの朝顔 

青年の背後には白い太陽が昇っています。これは生命の木の「至高世界」の頂点であるケテル(王冠)を象徴です。 

また、青年が身に着けている服には、9つの朝顔の模様がついていて、それは霊(Spirit)のシンボルの形をしています。 ウェイトは次のように述べています。 

「彼は、鋭い空気の中にいて、朝の栄光(朝顔)の中で、この1つから全部を通る旅行中の、他の世界の王子である。」 

つまり、これらのシンボルは、異世界(神の世界)から現れた王子である「愚者」が、すべての始まりの場所から出発し、これから生命の木の全てのパスを通る旅に出るということを意味しています。


②青年の静止している様子と、足元にいる飛び跳ねている犬。青年の目の前にある崖 

青年は余裕のある表情で崖の前で止まっています。「知性と期待の夢」に満ちた顔をしており、崖に対して待ったく恐れを抱いていません。 また、止まっている青年の心を反映しているかのように、足元の犬は元気よく飛び跳ねています。 

生命の木を見てみると、「愚者」のパス(ケテル‐コクマー)の前に、「至高世界」を他の世界から分断している「アビス(深淵)」があります。 

私は、このカードに描かれている崖は、生命の木の「アビス」を表現しているのではと解釈しています。


③青年の持ち物(頭についた赤い羽根、白い薔薇と何かの模様がついたポシェット) 

頭についた赤い羽根は、他のカード(「死神」、「太陽」)にも用いられているモチーフです。

 次に、「愚者」の青年は白い薔薇を持っており、この白い薔薇はおそらく「神聖と純潔(おそらく女性原理)」を表してます。

 無垢な心を持っていた「愚者」が知識を付けて「魔術師」となり、男性原理を表す「赤い薔薇」を品種改良するようになる(「魔術師」の園には「白い百合」はあっても「白い薔薇」はありません)。 心の変容(至高世界に到達すること)を示す「黄金の華」は「赤と白の花弁を持つ薔薇」であり、これら男性原理と女性原理をもつ薔薇が「結合」した姿をしています。 

もともと「愚者」が持っていた「白い薔薇」と、以降の番号のアルカナの登場人物が持っている「赤い薔薇」が結合し「完成」を迎えるというのはなんとも興味深い話です。 

さらに、青年が持っているポシェットについてですが、ウェイトは大アルカナの説明の最後の項目である「大いなる鍵に関する結論」に次のように述べています。 

「彼の財布には、よく見えない記号が刻まれている。それは、多くの潜在的な記憶が魂の中に蓄えられていることを示している。」 

このウェイトの言葉は、「『大アルカナ』が『潜在的記憶』を象徴しているということを示している」と考えられているそうです。



コラム


なんだか死神のカード以降からどんどんと難しい、またマニアックな解説になってしまい申し訳ありません(それ以前もそうだと感じていたらごめんなさい)。 ウェイトの意図に合わせてカードを読み解いていくと、後半の番号のカードと「愚者」のカードは、よりつっこんだ神秘主義的な説明が避けられなくなってしまいました。


 神秘主義的な考えにおいては二元性(「上は下、下は上」、「男性性と女性性」、「能動と受動」、「人工と自然」等)は特に大事なのですが、この犬を連れて散歩している迂闊な青年の絵にも、こうした要素が隠れています。 

この能天気そうな青年に対する解説として、カードの作者であるウェイトが「他の世界の王子」と書いているのを見たときは非常に衝撃を受けました。  


私はこのカードを見たとき、初心、実はもともと知っていたこと、自由な行動 というイメージが湧いてきます。 



*The Pictorial Key to the Tarotの解釈はミステリーアートさんの"ライダーウェイト・タロット解説(http://mysteryart.web.fc2.com/library/tarot/rw/tarwtop.html)"を参考、引用しております。主に、聖書周りの部分を引用しております(引用の許可をいただいております)。ミステリーアートさんありがとうございました。 

*ウェイト版の図案については大人の都合でバラバラになっています。 

*カードの素敵なイラストはjohanさんの作品です。

*クメールは現存のいかなる宗教団体、また自己啓発団体とも関係ありません。オカルト解釈は趣味です。 

とりとめナイトよろしくお願いいたします♪ 




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